今回もお忙しい中、大垣の小周天気功教室におこし頂きありがとうございました。
皆様と、とっても楽しい一時を過ごす事ができました。
今から20年以上前(1994年頃)の事になりますが、船井幸雄氏の著書の中に紹介されていた矢山利彦氏の「気の人間学」を読み大きな感銘を受けました。
これは凄いと思い早速小周天バンドと小周天気功法のVHSビデオを購入してそれを観ながら小周天の練功をはじめました。
送られてきたビデオには、小周天気功法のビデオと小周天法の理論と実際という解説書が同封されていました。
今日は、そこに書かれていた「小周天法の理論と実際」という内容を掲載させて頂きます。
これは、小周天法を誰にでも簡易に出来るようになるための方法論を矢山利彦氏が研究・開発されたものです。
はじめに
「小周天法」-気功法に興味を持つ人には、未知の世界へ憧れを呼ぶ言葉で一度は試みたこともある人も多いでしょう。
この小周天と言う言葉には、東洋の宇宙観・人間観がエッセンスとして込められています。
つまり人間は、それ自体が小宇宙(天)であり、外なる宇宙が「氣」という自然のエネルギーによつて運行されているように、内なる宇宙でも身体の「氣」のエネルギーが循環しており、これを訓練によって人体の正中線上を周回させることを「小周天法」というのです。
この小周天法を達成すると12正経という、身体をくまなく巡っている経絡の「氣」の停滞は解消し、「氣」の運行は大きくレベルアップされ諸病は癒えるとされていますが、具体的にそれを達成するための方法論は明らかになっておらず、小周天法は絵に描いた餅のままなのが現状です。
今回、武術・東洋医学・気功法の研究実践の内から、小周天法を比較的容易に達成するシステムを作り上げましたので、その概要を発表します。
小周天法の理論
人体の発生は、受精した卵子から始まります。
この発生の途上でまず形成されるのが、脊髄とその先端の脳なる部分で、それから徐々に内臓や手足が形成されていきます。
つまり人体の指令センターとなる中枢神経系が最初にでき始め、それから末端の部所が左右対称にできてくるのです。
成熟してこの世に生まれ出てからも、この人体の正中線の部位は急所とされ、武術においては攻撃防御の要所となっています。
東洋医学においても、人体の前面・後面の正中線上には、重要なツボが多く集まっており、診断治療のポイントとなっています。
このような事から人体の正中線上に、重要なエネルギーのルートがあると古くより直感的に把握されてきたのでしょう。
このエネルギーのルートは人体の後正中線では督脈、前正中線では任脈と称されてきました。
そして、督脈・任脈に「氣」を循環させることを「小周天法」と呼んでいます。
小周天のルートを解剖学的に見てみると、督脈上には脊髄・副腎・脳の視床下部・下垂体(これらは内臓機能・ホルモン系の中枢)、任脈上には甲状腺・胸腺・膵臓・腹腔神経叢・性腺などの人体の自律機能の主要器官が並んでいます。
近年、生理学的研究でこれらの自律機能もバイオフィードバックなどの手法を用いると、意識によってコントロールされ得ることが明らかとなっており、ヨーガの達人にはそれを容易に行う人もいることが観察されています。
ヨーガでは、それをチャクラの開発という技法によって達成しますが、気功では「氣」という感覚を用いて、小周天法によって達成するわけです。
そして、人体の自律的諸機能が小周天法によって促進されれば、諸病は癒えるというのも、医学的に十分可能な事と考えられます。
東洋医学の見地から小周天法を考えてみると、任脈・督脈は12正経とは別の気経に属し、12正経のうち6つの陰経の責任をもっているという意味で任脈、6つの陽経の監督をしているという意味で督脈と称されていると考えられます。
任脈・督脈に「氣」が十分に巡ると、12正経の「氣」の停滞がなぜ解消されるかというのは、私の知る限りにおいては古典に記載ありません。
実際12正経の流れ図と督脈・任脈の流れ図を見ると、大椎・百会・壇中・中院・関元などの重要な経穴(ポイント)でクロスしていることが分かります。
従って12正経のどこかに気滞が生じたとき、このクロスしたポイントを通じて督脈・任脈の「氣」の流れを盛んにしてやれば、12正経の「氣」の滞りは徐々に解消していくことになり、又督脈・任脈の「氣」の流れが発達した人、即ち小周天法を達成した人は、12正経の「氣」の滞りは生じなくなってきます。
今回はここまでとします。
次回は、小周天法の実際、脊髄の歪みの調整と強化へと続きます。
今日もお忙しい中、大垣の小周天気功教室にお越し頂きありがとうございました。